平成27年度合格者体験記

ここでは現在、空間情報総括監理技術者の合格を目指しておられる皆さんに、空間情報総括監理技術者試験対策に関する情報を提供いたします。


「空間情報総括監理技術者への道」合格者体験記

  

1.自己紹介 

 

氏  名 : 常松 興樹

所属会社 : 株式会社エイテック

 

 <はじめに>

  私は、4度目の挑戦で合格しました。

  受験時は、空間情報系部署の部長をしており、当資格の必要性を感じ、受験資格もハードルが高く、受験可能な該当者も弊社では少ないことから、受験を始めました。

 参考には、ならないかと思いますが、受験への準備など記述します、

 <私の経歴など>

 目的   会社側からの要望と部長として将来当資格の必要性を感じた

 実務経験 24年(うち空間情報系の実務5年程度)

      空間情報系の部長として、航空レーザ、基盤図、災害測量、GISなどの業務のマネジメント全般

受験資格 技術士(建設部門-道路)、測量士

 

 2.受験に当たり事前に準備したこと

挑戦1年目 弊社では当資格者がいないことから、公表されている過去問を解くことから始める。

       空間情報系業務の資料収集

挑戦2年目 挑戦1年目の問題が難しく、ベテラン技術士に回答を添削してもらう。

       部長として空間情報系マネジメントをしてきた資料を収集

挑戦3年目 挑戦2年目の問題の再作成

       実施業務で勉強時間がなかなか取れず。

挑戦4年目 (過去問対策)過去問題の見直し

(技術動向)月刊「測量」の購読、空間情報技術の最新動向をwebにて収集

(マネジメント)「地理空間情報コンサルタントへの道」の購読

       (提案資料)良く出題されているPPT対策として、問題傾向を独自で考え、回答作成

       →筆記合格

       →面接対策として、筆記対策で行った事項を見直しを行い、面接合格

 

 3.合格してから変化したこと

 弊社では当資格合格により祝金が出ました。

 また、弊社ではほとんどいない資格の為、全国での空間情報発注業務において主任技術者となるため、以前より活動地域も実務経験範囲も広がりました。 

 

4.これから受験する人へのアドバイス

 空間情報総括監理技術者は、受験資格のハードルも高く、相当難しい試験だと思います。

試験勉強をまじめにすることはもちろんですが、日ごろのマネジメント、組織教育訓練、自己研鑚を総合的に評価される試験だと思います。

 

以上

 

 


 「空間情報総括監理技術者への道」合格者体験記

 

 

1.自己紹介

 

氏  名 : 末国次朗

所属会社 : 株式会社環境総合テクノス 

 

著者プロフィール

 私は弊社環境部の都市環境グループで、マネジャーとして勤務しています。平成27年度の試験で空間情報総括監理技術者(以後、空総監)の仲間入りをしました。

 担当業務は、大気・水域・騒音に関する予測解析業務で、それらについてのプロジェクト管理や、グループで使用している様々なシステムのリニューアルプランの策定、さらに将来必要とされる新規システムの設計・開発や、新しい技術に対応可能な人材の育成などです。職場では多くの若いスタッフに囲まれて、こちらが活力をもらっているような状況です。

 私の本来の専門は現在の仕事とは少し趣が違っており、リモートセンシングデータ解析を長年生業としてきました。入社翌年から弊社の研究所に勤務し、国内外の森林を主な研究対象としてきました。また、後年はヒートアイランド現象も扱うようになり、都市域のビル群を対象にしたこともあります。そのような理由で、空総監の試験では主に研究所時代に集積した知識や経験に基づいて答案を作成することにしました。

 さて、試験を受けた動機ですが、実をいいますと当時の営業部長から、空総監の資格を取ってほしいと依頼されたのがきっかけです。「この試験を取れるのは当社には君しかいない」とおだてられました。私はすぐ木に登るタイプかも知れません。

 空総監については創設当時から魅力を感じていましたが、準備のための情報がほとんどない状況でしたので、受験を先送りにしていました。それが、営業部長の一言で、取得へと気持ちが切り替わったわけです。

 

2.受験に当たり事前に準備したこと

  弊社には空総監が一人もいませんでしたので、準備といっても私にできたことは、日本測量協会のHPから過去問をダウンロードして、自分で対策を考えるしかありませんでした。過去問と対峙しながら考えた末、私が感じ取った空総監のイメージ像は、「空間情報技術に卓越し、その知識の更新に日々努力するとともに、様々なプロジェクトを通して豊富な経験(失敗例や成功例)を有し、プロジェクトの立案からマネージメントといった一連の業務が行え、さらに人材育成にも本気で取組んでいるような人」でした。正に、この分野におけるスーパーマンです。

 私は、この分析結果から、単なる記憶ベースの対策では役に立たないことがわかりました。必要なのは、自分がこれまでにどんな課題に取組み、いかにして問題を克服したか、そのためにどんな検討や苦労をして、それで何がわかり、残された課題は何であるか、ということを、正しく採点官に説明できなくてはならないということでした。

 上記の考えがまとまるまで、少々時間がかかりました。試験は7月下旬でしたが、すでに5月の終わりで、試験まで約2ヶ月しかありません。私は普段から、定期的に送られてくる学会誌や関連分野の雑誌に目を通していましたし、Webからの情報も適宜取り入れていましたので、最新情報の入手については特に準備する必要はないと考えました。そして、最もやるべきことは、自分の業務経験の整理でした。

 研究所時代、学会発表や論文発表、関連雑誌への投稿、特許取得等は全て業績リストに記録するよう義務付けられていましたので、リストの準備はすぐにできました。リストに沿って整理を始めたところ、必要な論文でファイルに入っていないのが幾つか見つかりました。これでは作業が中断してしまいます。それで、永田町の国会図書館まで赴き、自分の論文をコピーさせてもらいました。

 結局のところ、私は試験までの2ヶ月を、大学時代も含め自分の研究成果の整理に費やすことになりました。時間的には、毎日職場から帰ってからの2時間と、土曜もしくは日曜のいずれか1日を充てました。

  

3.合格してから変化したこと

 私の場合、内面の変化が大きいと思います。知らず知らずに空総監に対し憧憬の念を抱いていたのでしょう。合格が決まった日には、シャンパンを買って帰りました。それと、会社に対し多少でも貢献できたことを嬉しく思います。自ずとこの分野に関する責任感も高まります。現在のところ、空総監で縛りをかけた入札に、弊社が参加したという話は聞いていませんが、そのような入札が全国的に増加している状況からみても、近い将来この資格が、きっと役立つことはまちがいありません。

 それからもう一つは、自分の行なってきた仕事の整理ができたことです。当初は人に説明できる程度に整理ができればよいと受験準備を始めたわけですが、試験官に説明するには自分がよほどしっかりした信念を持ち、正しく理解しておかなくてはならず、そのために改めて文献を調べなおすという場面も多々ありました。

 これまでひたすら前だけを見て歩んできましたが、空総監の受験対策によって、2ヶ月もの間、自分の過去を振り返るということをしました。たくさんの失敗と、その中にあるキラッと輝くもの。将来に繋がるイメージが、また新たに浮かんできました。 

 

4.これから受験する人へのアドバイス

 本稿で述べた話は、あくまでも私の経験に基づいた内容です。人それぞれ業務内容も経験年数も違いますので、受験対策はみなさんご自身で相応しい方法をよく検討して下さい。私の書いた小文が、今後受験される方の少しでもヒントになれば幸いです。ご健闘をお祈りします。

以上

 

 


「空間情報総括監理技術者への道」合格者体験記

 

 

1.自己紹介

 

氏  名 : 野瀬 和仁

勤務会社 : アジア航測株式会社

 

主な専門とする業務分野: 市町村:公共コンサルタント

 

(受験の動機) 

  32歳の頃、自身の保有資格数の少なさと、業務多忙を理由に、業務以外への取組みがほとんどできていないことに危機感を覚え、この業界で生きていく技術者として必要な資格はとっていくことを決意(当時測量士補だけという状況)した。その中で、発注業務の管理技術者要件において重要な位置づけとなっていた本資格の合格を、受験資格が得られる30代ラスト(39歳)での合格に設定し、モチベーションを高める。また当時の課長が、本資格を合格されたことも影響をうける。

 

 2.受験に当たり事前に準備したこと

 下記①~③の順序で、試験準備を行った。また②については、受験直前まで可能な限り実施した。

①社内の合格者から過去問題や資料関係一式をもらうことで、試験全体の把握と分析を実施する。

②問題1の対策として、インターネット、文献、新聞、国土交通省メール、業務、社内技術報などから最新技術キーワードに基づく情報を収集した。具体的には、パソコンにキーワードフォルダを作成し、そのキーワードに関連する資料の収集・格納を行った。

③問題2は、ここ数年ほぼ同じ出題傾向であったことから、過去問題をベースに自分の経験に基づいて解答を用意していった。また本番でこの問題に時間をかけることは、必然的に問題3にかける時間が少なくなることが予想されたことから、どのパターンが出題されても即座に解答文を作成できるように準備を行った。

④問題3の過去問題を分析したところ、本番で解答の流れを考えた上で、PPT8枚を新規に作成することは時間的にまず不可能であると考えた。よって、事前に複数の出題テーマを予想し、PPTを作成する準備をすすめた。(テーマは7種類を用意) 

 

<工夫>

①受験前は業務が多忙であったことから、パソコンを日々持ち歩き、出張にともなう移動時間等の隙間時間を利用して、解答例の作成を行った。特に問題3の作成は多くのパターンを用意しておきたかったため、8枚の内2~3枚を作成できる時間が確保できるようであれば、なるべくパソコンに向き合って作成した。また社内合格者の合格答案を、大いに参考にした。

②社内の技術資料の活用:日ごろ目にしている提案書、技術資料、技術図書回覧などは、キーワード収集に非常に役に立つことから、試験を意識してアンテナをはって収集を行った。

 

 3.合格してから変化したこと

 資格がすべてではありませんが、資格を取得することで、社内外の評価は変わります。さらに評価が変わることによって、今までと異なる仕事や大きな仕事に取り組むことができるチャンスが生まれ、技術者としてより大きく成長することができます。もちろん自身の意識の持ち方や技術研鑽次第で、大きな仕事と取り組めるチャンスはありますが、資格を取得することで、そのチャンスはさらに増えると思います。

  私自身も社内における業務・役割・責任範囲が大きく変わったことに加えて、社外との接点も増えたことで、前述のようなチャンスが増えたと感じています。

  

4.これから受験する人へのアドバイス

 この業界の技術者なら、発注業務における資格要件や対外的な技術者としての価値の証明などから、確実に取得すべき資格です。この資格は、試験勉強というよりも資料収集、解答例といった準備をいかに実施するかが重要であるという試験です。よって、日頃の主任技師業務、提案書作成、論文作成といった中で少し試験を意識し、諸先輩方(合格者)から情報提供をうけつつしっかり「準備」をすれば、必ず合格します。ぜひ、トライしてください。

以上